かぜ
一般的にかぜと言われる病気は、上気道粘膜を中心に急性の炎症がみられている状態のことです。これを総称して、急性上気道炎あるいはかぜ症候群と言います。ちなみに上気道とは、鼻腔から咽頭や喉頭までの間のことで、これらで炎症が起きているということになります。
なお耳鼻咽喉科であれば、これらの部位を診療するのは、専門領域でもありますので、普通の内科と異なる治療法もあります。
発症の原因はウイルス感染が大半とされ、感染経路は飛沫や接触感染になります。原因ウイルスは200種類を超えるとも言われますが、その大半はライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルスなどです。なおこれといった治療をしなくても一週間程度で自然治癒します。ただ発症している間は、鼻水・鼻づまり、くしゃみ、咳、喉の痛みなどがあるので、それら症状を抑えるための治療を行うこともあります。
かぜの治療に関しては、原因がウイルス感染であれば、特効薬は現時点ではありません。症状が強く出ている際に対症療法として、アセトアミノフェン、NSAIDs、抗ヒスタミン薬などを使用することがあります。
インフルエンザ
インフルエンザウイルスに感染し、発症している状態をインフルエンザといいます。日本語で流行性感冒と呼ばれることもあります。感染力は非常に強く、飛沫及び接触感染によって感染するとされ、1~3日程度の潜伏期間を経て発症するようになります。主な症状は、高熱(38℃以上)と強い寒気で、鼻水や喉の痛み、頭痛などかぜのような症状のほか、関節痛や全身の倦怠感などもみられます。
同疾患は、小児や高齢者、免疫力の低下している方が感染すると重症化しやすく、肺炎や脳症などを併発することもあります。そのため、各自治体では毎年インフルエンザの流行時期(毎年冬~春)よりも少し前の10月頃からインフルエンザワクチンの接種を開始しています。とくに65歳以上高齢者の方(及び60~64歳の方で心臓、腎臓、呼吸器等に重病のある方)は、定期接種扱いとなりますので、費用の一部が助成の対象となります。詳細は、お住いの自治体の公式ホームページをご覧ください。
治療に関してですが、発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ 等)を服用、あるいは吸入するなどすることができれば1~2日程度で熱は下がるようになります。なお症状が治まったとしても発症から5日、あるいは熱が下がってから2~3日が経過するまでは、人に感染させる可能性があるので安静に過ごします。このほか水分を十分に摂取する、休息をしっかりとることも大切です。